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第53回 脳科学を用いた社員の意欲向上の方法は?

社会保険労務士の内山です。

いつもありがとうございます。


経営者の方にとって、社員のパフォーマンス向上を図る上で、脳の働きを理解することは大切です。


脳は、私たちが意識的に決断する前に、無意識のレベルで多くの決定を下しています。例えば、社員が新しい仕事に取り組む際、成功するか否かは単なるスキルや知識の問題だけではなく、無意識に働く脳のメカニズムが大きな影響を及ぼします


潜在意識に関する実験では、「右手と左手の人差し指のどちらかを、好きなときに動かしてください」と指示をすると、多くの人は、①「指を動かそう」と思う、②脳が活動する、③指が動く、という順序で行動が起こると考えがちです。


しかし実際には、①の「指を動かそう」と意識する8秒前に②の脳の活動が始まり、どちらの指を動かすかを既に決定してるのです。

そして、その2秒後に③の指が動くのです。つまり、自分が意識する前に脳は既にどちらの指を動かすかを決めているということです。

このように、無意識のレベルで意思決定が行われており、そのプロセスがいかに無意識に影響されているかがわかります。


迅速かつ正確な判断ができる社員は、日々積み重ねてきた経験が脳に刻まれ、それが無意識の習慣となっているからこそ可能なのです。

脳は、習慣によって自動的に判断を下す仕組みを兼ね備えています


さらに、新たな価値を生み出す創造力は、「体験×挑戦意欲」によって育まれます

職場で体験させることは可能でも、挑戦意欲を引き出したり、興味を持たせたりするのは容易ではありません。

創造性を生み出すためには、体験や知識が必要ですが、それを活かせるかどうかは、その社員の考え方に大きく左右されます。


脳が生み出す挑戦意欲は、心と深く結びついています。心と脳は一体であり、社員の創造力は、脳の前頭葉(ぜんとうよう)という部分の働きに依存しています

創造性は無から生まれるものではなく、過去の経験や知識がその基盤となるのです。多くの情報が脳の側頭葉(そくとうよう)という部分に蓄積され、それが前頭葉に送られて創造力へと変換されます


また、今話題のリスキリングは会社にとってメリットあり、社員が新しいスキルを身につけることで、仕事に対する挑戦意欲を高めるきっかけとなります

経験を積み重ね、それを基に新たなアイデアを生み出す力を持つ社員を育てるためには、挑戦意欲を高めることが不可欠です。


このように、社員の脳の働きを理解し、そのメカニズムを活かすことで、社員のパフォーマンスを向上させることが可能です。


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