第44回 記憶のメカニズムを知り、記憶を維持する方法とは?①
- 内山克浩
- 2024年8月5日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
皆さんは、記憶にはさまざまな種類があることをご存知でしょうか?
今回は、私たちの記憶のメカニズムと種類についてお伝えします。
まず、私たちの記憶の基本的な流れをご説明します。
外部からの情報は、記憶を司る海馬(かいば)で振るいにかけられ、側頭葉(そくとうよう)という部分に送られ、そこにある「記憶の貯蔵庫」に収納されます。
どのような仕組みで収納されるか正確には分かっていませんが、この過程を経てから情報が最後に長期記憶として記憶されます。
記憶は個人差があり、遺伝的要素も影響しますが、本人の努力により後天的に記憶力は高められます。
例えば、営業部の社員であれば、日々の業務で多くの顧客情報を扱いますが、メモを取る習慣を持つことで情報の記憶が補強できます。
一方、経理部の社員であれば、繰り返しの作業を通じて会計ソフトの操作方法を記憶していきます。
記憶は大きく短期記憶と長期記憶に分けられます。

短期記憶は「今朝、朝ごはんで何を食べたか?」のような一時的な記憶で、数時間から数日で消えてしまいます。短期記憶のうち重要なものは長期記憶として保持されます。
長期記憶は「実家の電話番号」など、よほどのことがない限り忘れない記憶で、「陳述記憶(言葉で表せる知識や経験など)」と「非陳述記憶(身体の動きなど言葉で表せないもの)」に分類されます。
陳述記憶は「エピソード記憶(思い出やイベントなど)」と「意味記憶(英単語や歴史年号など)」に分類され、非陳述記憶は「手続記憶(身につけた箸の持ち方など)」と「プライミング記憶(無意識による影響(勘違いなど))」に分類されます。
例えば、営業担当の社員であれば、取引先担当者と思い出(エピソード記憶)を語り合うことで関係性を深めることができますし、労務担当の社員であれば、育児休業関係の手続きを繰り返すことで、すべきこと(意味記憶)を確実に行えるようになります。
また、上記の記憶には入っていませんが、日常生活を送る上で、もう一つ重要な記憶があります。それは「作業記憶(ワーキングメモリー)」と呼ばれるもので、何かをしながら短時間だけ記憶するものです。
この作業記憶の保持は数秒から数十秒で、重要なものだけが短期記憶として残り、それ以外は消去されていきます。
作業記憶(ワーキングメモリー)を分かりやすく説明すると、「ある物を取りに行ったが、別のことに気を取られ、ある物を取らずに戻ってきた」といったケースは、皆さんも一度は経験があるかと思います。
作業記憶(この例では、ある物を取りに行くこと)が他のことに気を取られて本来の目的である作業記憶を忘れてしまった典型です。
次回は、記憶を維持する対策についてご紹介します。