社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
経営者の皆様にとって、自信のない社員にどのように対応するかは、組織のパフォーマンスに大きく影響を与える重要な課題です。
今回と次回で、自信のない社員に自信を回復させる方法についてご説明します。
まず、私たちの脳は、機械と違って不安感情や不安反応が生じるため、1+1が必ずしも2になるとは限らず、3や5になることもあります。
不安という感情は、すべての人間の脳に備わっているため、特に新しい挑戦の最初の一歩を踏み出すことの難しさは、誰もが直面するものです。
しかし、最初の一歩や小さな一歩を踏み出せば、ポジティブな思考回路が働き始めるのも私たちの脳の特性です。
具体的な事例として、ある部門のAさんは、仕事でのミスで「自分にはできない」と自己評価が低くなり、新たな仕事に踏み出せない状況でした。
そこで、上司が1on1の中でAさんに過去の成功体験を思い出させ、Aさんが得意とする業務に集中するよう促した結果、Aさんの思考回路はポジティブに変わり、以前にも増してその業務での成果が高まりました。
また、新たに入社したBさんは、コミュニケーションに自信がなく、特に人前で発表するプレゼンテーションが苦手でした。
しかし、Bさんは文章や資料作成が非常に長けており、その能力を活かしてプレゼン資料の作成を担当させたところ、Bさんは自信を持って仕事に取り組み、プレゼン資料が功を奏し売上向上に寄与したため、Bさんは自信を持って仕事に取り組むようになりました。
このように、「できない」と感じる部分に焦点を当てすぎることなく、「できること」「得意なこと」に目を向けることが、自信を持てない社員への有効なアプローチであり対応の鍵となります。
また、脳科学的にも、失敗や否定されたことによる失望や不安は、本能的な反応であることを理解し、自信のない状況から抜け出すには、ポジティブな感情を積極的に取り入れること
が有効な手段となります。
一般に、自信というのは、他者と自分を比較し自分が優れていると感じたときに得られると思われがちですが、実際は自分で定めた基準を達成したとき、その成功を認識し、それが積み上げられて築かれるものです。
自信がない状態でも、ポジティブな体験がマイナスの感情を覆い、その結果、マイナスの感情を一気に払拭し、脳内でマイナスのスイッチがプラスに切り替わるからです。
これらのポイントを押さえて、日々の社員指導に活かしていただき、社員一人ひとりが自信を持って業務に取り組めるようサポートしていきましょう。
次回は、具体的な自信を育む方法について詳しくお伝えします。