社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
経営者にとって、社員が効率的に仕事を行うことは重要なことだと思います。
今回は、生産性を高めるために、朝の貴重な時間を最も有効に活用する方法についてご説明します。
最初に、脳科学の研究によると、私たちの脳は起床後3時間が最も活性化しており、このゴールデンタイムに複雑な課題や重要な意思決定を行うと、効率が格段に上がります。例えば、朝の15分間で完了できる仕事が、昼には30分、夜には2時間を要するようになるという研究結果もあります。
これは、起きているだけでも体はエネルギーを消耗して、時間が経過するにつれ、脳の処理能力が自然と低下し、エネルギー消費も増えるためです。
また、私たちの体内時計では、夕方6時以降は1日の中で血圧が最も高くなる時間帯でありストレスも増加します。この時間帯に仕事を続けることは、効率が著しく低下するため非効率的です。夕方以降に残業することは、結局のところ仕事の効率は悪いと言えます。
夕方以降から元気な様子を見せる社員がいたりしますが、数十万年かけて進化して今に至った我々の体内時計ですから、その元気は毎日は続かないでしょう。
少し前ですが厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠指針2014」では、人間は起床後12〜13時間が、覚醒状態で作業を行う上での限界であり、それを超えると作業効率が大幅に低下するとされています。
こうした事実を踏まえると、社員の起床時間に合わせて仕事時間を選べるフレックスタイム制度は、効率性の意味では素晴らしい働き方かもしれません。
因みに、起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業効率まで低下することが示されています。
幸福感は生産性にも関係しています。研究結果によれば、幸福感が高い人は仕事のパフォーマンスも高く、クリエイティビティや収入レベルも高くなると報告されています。この研究結果では幸せであること自体が生産性を向上させる要因であることを示しています。
したがって、職場環境を整え、社員が楽しく幸せに働ける環境を提供することが、会社全体の成果も向上するでしょう。
朝の短時間運動を社員に推奨することも有効です。例えば、10分間の早歩きは脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)を活性化させ、作業スピードが約3倍になるそうです。社員に朝の短時間運動を推奨することで、一日の始まりを活力あるものに変えることができるでしょう。
また、脳に負担がかかる作業は可能な限り早い時間に行い、日が進むにつれて脳の負担が少なくなるような仕事のスケジュールを組むよう、社員に伝えることも始めてみてはいかがでしょうか?
社員が効率的に仕事をこなし、職場の生産性が向上するように、これらの方法を是非実践してみてください。