社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今日は、仕事の効率化と生産性向上の鍵を握る脳の学習メカニズムについてお伝えします。
私たちは日常的に使う箸の持ち方や車の運転など、無意識のうちに習得したスキルを持っています。
これらのスキルは、実は高度な脳の学習過程で身につけた能力の例でもあります。
特に外国人にとって難しい箸の使い方も、日本人の大人であればいつの間にか自然とできるようになります。
では、このようなスキルはどのようにして習得するのでしょうか?
例えば、皆さんが最初に箸を使いはじめたのは何歳頃でしたでしょうか?
はじめは慣れない手順を意識しながら行っていたはずです。この段階では、私たちの脳は意識的な学習をしており、コンピュータの処理スピードに例えると約2000ビットだそうです。
その後、繰り返し行うことで無意識に自然とできるようになります。この段階での処理スピードは約4兆ビットで、約20億倍も速くなるそうです。
無意識にできるまで何度も繰り返すことで、脳は生きていく上で重要なものと判断して「長期記憶」に保存します。
逆に、生きていくうえで不要な情報は一時的に残した「短期記憶」から消去します。
一度調べて問い合わせをしたお店の電話番号を覚えていないのは、いい例です。
このメカニズムは、仕事のスキルや業務の効率化にも応用できます。
早く無意識にできるようになるには二つの重要な要素があります。
一つ目は「何度も繰り返す」こと。
二つ目は「強い感情を伴う」ことです。
一つ目についてはイメージがつくと思いますが、二つ目の「強い感情を伴う」とは、成功体験や達成感などのポジティブな感情を伴うことで、スキルや知識が長期記憶に定着しやすくなることです。
例えば、苦手な業務に挑戦し、それを成し遂げたときの達成感は、その業務に対する前向きな印象を脳に刻み込みます。
社員が新しいスキルを身につける際は、単に繰り返し行うだけでなく、その過程で得られる達成感や喜びなどの感情も大切にしてください。
これにより、スキルはより深く長期記憶に定着し、自然と無意識に行えるようになります。
効率化と生産性向上の鍵として、ぜひ日々の経営に役立ててください。