社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
社内で「問題だなぁ・・・」と感じられる社員がいるかもしれません。
成果が出ないことや人間関係のトラブルなどから問題社員と感じているのは、期待を下回る行動だからではないでしょうか。
今回は、そんな問題社員の能力向上に脳の特性を活かす方法をお伝えします。
私たちの脳は、物理的又は精神的に「できないこと」は想像できません。例えば、ドイツ語を話せない人がドイツ語でスピーチする自分が想像できないケースがこれに当たります。
逆に、脳は「可能なこと」は想像して実現に向けて動きます。これは、目標を達成する場面を想像できれば、その目標を実現する可能性を高めることでもあります。
私たちは五感を通じて見たり聞いたりしなくても、単に頭の中でイメージするだけで見たり聞いたりしたことと同じような反応を示します。これは、脳が現実と非現実を区別できないことを示しています。
また、脳には「可塑性(かそせい)」と「汎化(はんか)」という2つの特性があります。
「可塑性」とは、脳が物事に順応し変化することですが、一度に大きな変化はできず、ほんの少しずつ変化できることです。
「汎化」とは、ある能力が伸びると関連しない能力も向上することです。例えば、外国語の音楽を聴くことで語学力が向上するケースがこれに当たります。
問題と感じる社員は、成果が出ないことや人間関係のトラブルを起こすことについて、過去に体験した嫌な記憶が影響している可能性があります。
この場合、意図的に「同じ状況での小さな成功体験」を積み重ね、「嫌な記憶」を上書きするのが効果的です。
同じ状況での小さな成功体験を積み重ねることで、脳は可塑性により徐々に記憶を変えていきます。
無意識に想起している過去の嫌な記憶が原因で上手くできないと考えられますので、あえてそこに踏み入って、小さな成功体験を積極的に積み重ねて記憶の上書きをすることが問題行動の解消に繋がります。
このとき、上司のサポートとしては、脳が現実と非現実を区別できない特性を活かして、まずは嫌な記憶を思い出さない程度で目標達成のイメージを持たせることから始めましょう。
次に、目標までを小さな単位に分割して、各単位をクリアーする小さな成功体験を積み重ねる進捗を一緒に管理しましょう。社員の脳は可塑性により徐々に変化し、「嫌な記憶」を「成功の記憶」に上書きしていきます。
その結果、「嬉しい!」とか「仕事が面白い!」などポジティブな言葉が出てきたら、更に小さな成功体験を増やし、社員の好奇心を刺激してあげましょう。それにより「汎化」も期待できるかもしれません。
人は常に無意識に幸せを求め、自分をより幸せにするものを探しています。
これこそが好奇心の本質です。