社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
脳というのは、心臓や肺など他の臓器と同じ物質ですが、『意識』を生むとても不思議な臓器です。
例えば、売上の増加に喜びを感じたり、新規取引先との初会合で緊張のあまり心臓がドキドキするのは脳の反応です。喜びや緊張を感じるのは脳であり心臓(心)ではありません。
脳は頭蓋骨の中にあるため外界の状況を直接受け取ることはできません。五感を通じて刺激として状況を受け取り、その対応手段を心臓に伝えることで、心臓はドキドキするのです。
私たちは日常生活の中で、無意識に1日約6万回思考をしていると言われています。これは、7時間寝ると仮定した場合、残り17時間で約1秒に1回のペースです。この間、脳は活発に活動しています。
しかし、脳が同時に処理できる情報の量には限界があります。一度に覚えられる数字は「7±2個」、複雑な情報や異なる種類の作業では「4±1作業」が限界と言われています。
これを超えると思考が停止し、情報の喪失がはじまるそうです。
作業の内容やそのときの状況、また個人差によってもこれらの数は変わりますが、「同時に複数のことを行うより、一つ一つ確実に行う方が効果的」ですのでお勧めします。
2つ3つの業務を並行して行うことを繰り返すより、確実に1つの業務を進めた方が、結果としてミスや失敗は少なくなります。
更にお勧めな方法は、「脳はイメージすることで活性化する特性」を使うことです。
例えば、営業社員が新規契約を取りに行く場面を想像してみてください。契約が取れた姿を明確にイメージするだけで、実際に契約が取れたときと同様の効果が脳にもたらされると研究で示されています。
また、音に関するイメージも同様の効果が期待できます。契約交渉での会話をはっきりとイメージするだけで、その会話の音を再生したときと同じ効果が脳は得られるのです。
すなわち、期待する結果(契約が取れるまで)の過程を明確にイメージすることで、現実に起こるかもしれない出来事を事前に体感しているため、緊張も和らぎ、自然と良い結果に導れるようになるのです。
また、「脳には言葉の後に付ける否定的な言葉は処理できない特性」があります。
例えば、「ピンク色のライオンを思い浮かべないでください」と言われたらどうでしょう。ピンク色のライオンが思い浮かんだのではないでしょうか。これは、脳は言葉の後に付ける否定的な言葉は処理できないため、ピンク色のライオンのイメージが消せない脳の特性から起こることです。
そのため、新規契約を取りに行く営業社員に「失敗するなよ」など否定的な声掛けは避けるべきです。このような声掛けは「失敗する」というイメージを持って出発させてしまいます。
脳にとって「言葉」と「イメージ」は極めて重要です。そのため、ネガティブな発言よりもポジティブな発言を選ぶことが大切です。ネガティブ思考よりポジティブ思考の方が、脳の特性を上手に活かしていると言えるでしょう。
「君なら成功できるぞ!」などポジティブな声掛けで、しっかり社員の背中を押してあげましょう!。